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略  歴
大正2年 群馬県桐生市に生れる
昭和9年 デザイン専業 レイアウト社創業
昭和18年 応召により中断
昭和21年 南方より復員
昭和23年 総合広告業 (株)日本スタデオ 設立 代表取締役社長
昭和41年 (株)ポップ 代表取締役社長
昭和47年 エヌエスビー(株) 代表取締役社長
昭和58年 (株)日本スタデオ 社長を引退し代表取締役会長
平成4年 同 会長を引退し取締役相談役
平成10年 (株)ポップ 廃業


諸団体の役職歴
社団法人 東京屋外広告協会 常任理事
東鉄広告協同組合 理事
千葉鉄広告協同組合 理事
関東交通広告協会 常任理事
国鉄広告全国連盟 理事
東京屋外広告美術協同組合 理事
東京ディスプレイ協同組合 理事
日本浮世絵協会


常任理事
表  彰
東京都知事表彰 (昭和60年10月)年表へ
交通広告を主軸に、早くから業界活動を活発に行い、上記組合及び協会等の組織拡大、活性化、地位向上に尽力、業界の発展に大きく寄与した。

日本広告業協会 第22回吉田秀雄記念賞 (昭和62年5月)年表へ
(株)日本スタデオを中堅優良広告会社に育てつつ、日本広告業協会にも協力し、なおかつ内海良大伝をはじめ、『暖簾考』『写楽新考』『遊びのデザイン』『江戸のコピーライター』等の著作を通じて、広告文化の向上に寄与した。

全日本広告連盟 第29回衣笠賞 (平成3年5月)年表へ
昭和23年(株)日本スタデオを創立、交通広告、屋外広告を中心とした総合広告会社に育て、その間、交通広告、屋外広告等諸団体の役員を歴任し、業界の地位向上に尽力、また、長年に亘って集めた資料を元に 『暖簾考』『写楽新考』『遊びのデザイン』『江戸のコピーライター』などを著し、平成元年には広告の原点・屋外広告1240年間の歩みを綴った『日本屋外広告史』を刊行するなど、広告文化の発展に大きく寄与した。

黄綬褒章 (平成4年5月)年表へ
永年に亘り広告業を経営しつつ、社団法人東京屋外広告協会はじめ多くの同業団体の役員として業界の地位向上に努め、傍ら 『日本屋外広告史』 など学術的な著作を通じて、広告文化の確立に寄与した。


業  績
 昭和7年群馬県桐生市より上京、同9年デザイン制作の「レイアウト社」を創業し、昭和18年召集により社業を弟子に譲り応召。21年南方より復員。
昭和23年、デザインを中心とした広告業「(株)日本スタデオ」を設立、社長として同社を中堅の総合広告会社に育て上げた。
 レイアウト社当時から出版関係の仕事を多く手掛け、毎日新聞社、婦人画報社、文藝春秋、小学館、講談社その他有力出版社を主力得意先として安定した経営を継続した。媒体としては、交通広告が中心で、現在の車内広告における出版関係のウエイトが非常に高いのは、出版物の発売と広告掲載のタイミングを一致させるシステムを考え、その実現に自ら大変な努力をした結果で、今日の車内広告の基礎を確立したといえる。
 また屋外関係では戦後、「日本屋外広告協会」に加入、昭和26年以来理事となり、昭和36年改組「社団法人東京屋外広告協会」に引き続き常任理事を勤め、昭和50年当協会の大改革に際し、率先事に当り、長く中断していた機関誌を51年広報委員長として復刊し、以来休刊することなく、協会の活性化とPRに大いに貢献した。
 交通広告関係では、東鉄広告協同組合その他の理事として、30年前後に亘って業界の為に尽くし、全国の公営私鉄を含めた全交通機関を網羅した全国組織の交通広告団体を公益法人として設立し、業界発展に寄与しようと公益法人化推進委員長として尽力していた。


記念出版
 広告文化に対する貢献について触れる。昭和34年、東京看板工業協同組合(現、東京屋外広告美術協同組合)の10周年記念事業に際し、パーティに代えて松宮三郎著「江戸の看板」を刊行委員長として出版し、関係者に配布したが、昭和43年には、同氏著「江戸の物売り」を社の創立20周年記念として出版、更に同氏が三部作最後の著述「江戸歌舞伎と広告」を25周年記念として刊行した。


著  述
 社業の傍ら、江戸時代の広告と文化に興味を抱き、永年に亘って資料の収集を心掛けてきたが、還暦を期に、自ら著作を試みるに至った。最も古い広告媒体といえる暖簾の史実と定式を研究した『暖簾考』は、唯一の史実と定式の研究論考書で、これを創立30周年の記念出版としたのを手初めに、写楽は京伝であると説く『写楽新考』及び『写楽はやっぱり京伝だ』を世に問い、『遊びのデザイン』、『洒落のデザイン』、『江戸のコピーライター』と江戸時代後期のデザインを通じての文化を学術的に解明し、紹介している。『遊びのデザイン』は、東京大学教養学部人文学科のテキストに採用されたほど学問的に価値あるものである。『江戸のコピーライター』が刊行された後、集大成ともいうべき『日本屋外広告史』を完結し、平成元年に出版、広告業界の貴重な研究資料として注目を浴びた。

主な著作
内海良大 昭和52年 千人社刊
暖簾考 昭和54年 日本書籍刊
写楽新考 昭和56年 文藝春秋刊
遊びのデザイン 昭和59年 岩崎美術社刊
写楽はやっぱり京伝だ 昭和60年 毎日新聞社刊
洒落のデザイン 昭和61年 岩崎美術社刊 (共著解説)
江戸のコピーライター 昭和61年 岩崎美術社刊
江戸三火消図鑑 昭和63年 岩崎美術社刊 (共著解説)
東京消防庁・江戸火消研究会 監修
日本屋外広告史 平成元年 岩崎美術社刊
『暖簾』 平成3年 ぎょうせい刊 (共著解説)
日本レタリング史


平成4年 岩崎美術社刊
著書の名誉
『日本レタリング史』
日本図書館協会から「大学・専門・教養」の部門で選定図書となり、アメリカ議会図書館、イェール大学図書館、フランスから注文がくる。

『暖簾考』
暖簾の史実と定式の唯一の論考書となり、並河亮日本大学文学部教授から学位論文に再編提出せよと求められる。但し、社業と次稿に追われ再編提出ついにせず(重版)。

『遊びのデザイン・・・山東京伝「小紋雅話解説」』(3回重版)
東京大学教養学部人文学科のテキストとなる。

『芭蕉堂七世・内海良大』
本書及び『暖簾考』その他で広告文化に寄与したとして、東京広告協会「特別功労賞」、さらに日本広告業協会「第22回吉田秀雄記念賞」を受賞。

『江戸のコピーライター』
前項著書及び本書が広告文化に大きく寄与したとして、全日本広告連盟第29回衣笠賞」受賞。更にこれら一連の業績と業界団体育成の功に対し、平成4年黄綬褒章を受ける。

『日本屋外広告史』
本書は日本文学史の世界における新しい分野を切り開いたものとして注目され、学習院大学諏訪教授より博士論文提出の勧奨を受ける。

(「社史稿本」より抜粋)




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